コスホリの世界

コスホリとはなんなのか

「いつかコスホリにいってみたい」そんなイニシエーションの一種を昨冬経験した。
尚コスホリの会場写真は安易には撮れないため、画像の掲載はない。Twitterハッシュタグ検索を推奨する。

  • 「コスホリ」は「コスプレホリック」の略で、同人&企業による成人向け即売会の一種。
  • ブースにてROM/写真集/撮影券等を販売しており、撮影エリアにて撮影券に応じた撮影が可能。
  • 入場前には18歳以上であることを身分証明書で要提示、時間による2部制で入場者数を制限。
  • 場内の無許可撮影は厳しく管理・取り締まられる
  • チケット代わりのA4写真集つきパンフレット(2000円)は、まんだらけ/駿河屋にて事前購入を推奨。
  • 羽田空港の近く東京流通センターで開催される。

cosholic.jp

コスホリとはなんだったのか

入場前

 東京流通センターまではモノレールでしか行けないので、必然車両の雰囲気は異様なものだった。風呂に頼む入ってくれ男+売り子orモデルガール+ニュートラルオタク+タイミング悪く乗り合わせた他乗客。しかし不協和音とはいえない場の謎の協調感は、整然とした待機列と円滑な運営にも表れており、迫りくるイベントへの安心感につながった。
 一方パンフレットをまともに読めておらず、周りの玄人感あふれる同士らの雰囲気にのまれ、巡回プランを考えていないことに焦燥を覚えた。そこでTwitterも駆使して同伴人と待機列にて巡回プランを熟考を重ね、「とりあえず順番にまわる」というシンプルすぎるプランに帰着した。
 
 つまり素人には何がコスホリで起きるのか等、到底検討もつかないのである。

入場

 始まった。足早に皆会場に吸い込まれていく。会場が目に入る、思ったより広すぎはしない会場だ。テンションが上がってくる。
 「とりあえず順番にまわる」プランにそって、ブースから2m程離れてやや遠めにブースの机に載せられた商品を眺める。ここで気付く。決して安くはない商品群(単価は約3000円)。購入は慎重になる一方で、立ち止まらなければよくわからない。止まりたいけど止まれない。売り子さんらと目を合わせられない。服屋さんで店員さんに声かけられるシチュエーションをレベル2段階くらい上げた感じだ。

 歪な愛想笑いでコーティングした強烈な好奇心と購入しない罪悪感で受け取るビラ。ただ視界に入るのは肌色と、来場者の吐く二酸化炭素と体温で息詰まる空間で、五感が鈍化していく。10スペース巡回+5分休憩。最早遠泳クロールだ。
 
 息も絶え絶え1周して漸く全体感を把握しはじめた。だいたいどこで何を売っているのか、気になるものはどこか。ぼちぼち、撮影エリアですごい恰好になっているモデルとすごい恰好でとっているカメラマンも、風景として脳も処理できるようになってきた。RPGよろしく、歴戦の参加者オジサンが教えてくれるROMのエロさも冷静に聴けるようになってきた。なるほどなるほど。
 
 なればこそ、これだぁ!!キミにキメタァーーー!

 twitter.com
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退場後

 新鮮な冬の空気で脳をリフレッシュする。品川駅のレストランで戦利品開いてたら斜向かいのフェミっぽいおばさんがすごい顔で退席した。全然全年齢内容なのだが。コスホリはまだまだこんなもんではないぞ。下記、反省会議事録。
 

  • 撮影へのハードルタケェ

金額もそうだし一眼レフないときつそう、というか撮ってもどうしようもない個人だけど、さらなるイニシエーションだ

  • 緊縛系は手が出なかった

 ROMとかの結果、ではなくて、手法解説とかの方がほしいと思う

  • 完全R18作品あまり食指がうごかない

 フェチズムのほうが好きだなと思った

  • 男の売り子、さけるか黒服スーツにした方がいい

 同人AVとかの男の売り子、普通に逆販促になっていると思った

最後に

 まさかの売り子さん側からやり取りの中で「こんな濃ゆいイベントによくきましたね」との発言もあった通り、やはりコスホリは魔界の一種のようだ。しかし、少なくとも私には想像していたよりは現実的な世界だったし、しっかりとしたルールに則った意味で健全なイベントであった。
 寧ろその意味では「物足りなさ」を感じたことも本心だった。とにかく脱げば、扇情的な恰好をすれば、そんなドラゴンボールパワーにも似た「エロさ」のインフレが垣間見えることに、物足りなさを感じたのだった。その点、フェチフェスもやや似た感想を頂いた想い出が去来する。
 勿論、モデル&カメラマンの方々の趣向は数知れない。尊敬にあたう。ただ発見を尊んでしまう私の価値観では、「知らない」がエロさとすると「知っている」が増えることは諸刃の剣なのだ。
 これからも、「知らない」を探していきたい。